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イタリア人夫と共に送る、イタリア・Bologna県田舎での静かでドタバタな日々。問題だらけの田舎家との闘い、いつまで続くかな? 旅と食べることが大好きなTomokyの日記


by Tomoky
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BOで落語


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即席の高座。

昨日の午後、三遊亭竜楽氏のボローニャ公演があり久々の落語を楽しんできました。

(イタリア語のイベント紹介ページはこちら。)



場所はチネテカ敷地内にあるTeatro - Laboratori DMSにて。

チネテカも付属のCinema Lumiereもボローニャではとても行きたいと思っていたところだったのだけれど、実際に敷地内に入ったのは初めて。まさか落語を聞くために来ることになろうとは。

BOで落語_f0077159_618712.jpg



これまでも竜楽さんはヨーロッパ各地で公演されているそうで、ボローニャでも以前やったのだそうですが私は全く知りませんでした※←後日関係者の方に聞いたらボローニャは初めてだそうです。失礼しました。

開始の午後5時には客席は満員。日本人のかたもちらほら見られました。

ボローニャ大学の学生もたくさん来ていました。

いざ竜楽師匠が登場。

まずはこれから口演する落語で見られる芸の所作や道具(扇子、手ぬぐいの使い方)などを実際に演じて見せながら通訳の方と一緒に説明します。(ちなみに通訳をしたのは私の行った語学学校の教師&極東アジア研究所員であるアレッサンドロ氏でした。)

それから一つ目の演目「ちりとてちん」。

こちらはあらすじを初めに紹介し、ほとんど日本語で、最後の部分だけイタリア語で演じられました。

ある旦那が宴会をしようと計画したものの、突然キャンセルになってしまい、準備した大量の料理やお酒があまってしまいます。困った旦那は近所に住む若い者を呼びにやり、余ったご馳走を食べてもらいます。この男はなんでもかんでも大げさにおいしいおいしいと褒めるので旦那もご機嫌。

すると豆腐を持って来させるところで、その豆腐が腐っていることが分かり、旦那はあるいたずらを思いつきます。

その豆腐にありとあらゆる調味料をかけて混ぜこみ瓶につめ、もう一人の男「竹さん」を呼びにやります。この竹さんのほうは決して褒めることをせず、何でもかんでも知ったかぶりをする男。この男に腐った豆腐を「台湾名物(竜楽さんのアレンジ)ちりとてちん」という珍味と言って食べさせ、一泡吹かせようと言う魂胆。

この中で竜楽さんがすしやさしみを美味しそう~~~に食べる部分では、私も思わず唾を飲み込み、周りに音が聞こえなかったか心配になったほど(笑)。お酒を飲む時もおいしそうでした。

終わってから後ろのイタリア人女性3人が、
「あー私すしが食べたくなっちゃったわ!明日行く、絶対。」
「私も私も」
というと、隣に座っていた私の学生も、
「僕も来週ローマに行くので日本料理のレストランに行きます。」
と、影響受けまくり(笑)。

最後の「ちりとてちんを知っているか」「もちろん」と言う部分はイタリア語。でも後の部分は日本語。顔の表情や動き方、それから日本語の合間に入れる「皆が知っている言葉(わさび、タバスコ、Buono!など」などで、イタリア人の心をぐっとつかんでいてお見事でした。

BOで落語_f0077159_6182387.jpg



5分ほどの休憩の後、今度は別のプレゼンテーション。

座布団の向きから始まって、落語のメクリや看板に使われる文字(寄席文字)や羽織についている紋などの紹介。私にとってもおもしろいことばかりです。

そして2つ目の演目「気の長短」のはじまりはじまり・・・・。

気の短い男と、全く正反対の性格を持つなんでもゆーーーっくりな気の長い男のお話。

こちらはなんと全部イタリア語でした!

始まって5分後に近くに座っていたお客さんたちから「なんてブラボーなの!!」と賞賛の声が・・・。

いやー参りました。

あのゆっくりとした「間」、日本の伝統芸能で意図的に使われることが多いんですが、私一度お能を見に行った時に、演者の方が舞台に上がるまでのあまりのゆっくりした歩きに眠気が襲ってきて、なんと舞台にたどり着く前に寝ていた・・・・という恥ずかしい経験の持ち主なので、イタリア人のみなさんにはどうなんだろう?やきもきしないかな(今回はやきもきさせるのが目的でしょうけれど)、飽きないかな、などと心配になりました。が、心配無用でした。

緩急がはっきりしているので分かりやすいし、ゆっくりした部分では皆さん固唾を飲み込んで何が起こるのかと一瞬たりとも見逃せないという感じで見守っていました。

竜楽さんの「ヨーロッパ落語道中」、スケジュールはこちらで確認できます。
http://ryuraku.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-2750.html
(イタリア語の他にもフランス語とスペイン語、英語の口演があると書いてある!興味津々・・・)


是非また来年もヨーロッパ道中を実現させてくださいますように!!
Commented by Sorella at 2010-10-27 19:50 x
Tomoky文章うまいなぁ。状況がすごい伝わってくるよ。オーストラリアに来てからと言うもの、このようなプロ意識を目の当たりにしていないせいか、記事読んでてなぜかうるっと来ちゃった自分にびっくり。どんだけ枯渇しているんだろう、自分・・・(^^;)。
Commented by naocci at 2010-10-27 20:17 x
へぇ~!全然知らなかった! うちのお父さん落語好きだから知ってたら「行って来い」って言ったかもなぁ。 日本語(文化)勉強している人には最高の課外授業だわね♪ ステキよー Tomoky先生!
Commented by hiropao at 2010-10-28 00:07 x
おもしろそう!
私がいる時に来てくれればいいのに・・・・・。本当に残念。
Commented by もりりん at 2010-10-28 12:44 x
落語公演なんて、すばらしい!!
私も落語大好きです。特に古典ものがやっぱりいいなぁ~と
思います。
落語のおそばとかお餅を食べる仕草を見ると妙に食べたくなる
のは世界共通なんだね。
Commented by tomoky_ex at 2010-10-28 15:34
>Sorella
まーありがとう^^。ちゃんと伝えられたかな?落語が海外でも受け入れられるようにいろいろ工夫を凝らして(説明やその国の言葉でやる等)やっているわけでしょう。最初はどうやるんだろうって不思議だったけど・・・しかもね、関係者の一人に聞いたら、別にイタリア語はなせるわけじゃないんだって。ただ覚えただけであの演技!プロ意識に脱帽です。AUS公演ってないかねぇ?
Commented by tomoky_ex at 2010-10-28 15:36
>naocci
時間が午後遅い時間だったから難しかったかもしれないけど、また機会があったら是非~!すごくいい気分転換になったしおもしろかったよー。隣に座った学生はたまたま来ていて私を見つけただけなんだけど(うちからは2人しか来てなかった)、こんなことならもっと学生達に宣伝しておけばよかったわー^^;
Commented by tomoky_ex at 2010-10-28 15:38
>hiropao
おもしろかった!とってもいい文化紹介。また来年も呼びたいってnipponicaの人も言ってたし、次回もあるといいね。ただ時期がね~^^;hiroちゃんのいる時になるといいね。
Commented by tomoky_ex at 2010-10-28 15:41
>もりりんさん
私も大好きで日本でよく見に行ってたんですよー。古典ものはいいですよね、やっぱり。今回は寄席と雰囲気は違いましたけど落語の良さがよく伝わってとてもよかった。あの仕草はたまりませんねー。絶対みんな寄席のあとお蕎麦屋さんとかお寿司屋とか、見たものが食べたくなって入っちゃうと思います。ボローニャにもおいしいところがあったなら・・・あーあ。
Commented by Mari at 2010-10-28 16:24 x
待ってました!! Tomokyの落語レポート!!
読んでてその場の臨場感が伝わってきて面白かった!!
間の取り方とか日本独特のものだろうけど、それを外国語でやって、文化の異なる人をもうんと言わせるその技術って本当にプロフェッショナルよねー。
是非とも近いうちにまたいらしてくださるといいんだけど!!
Commented by tomoky_ex at 2010-10-28 16:57
>Mari
ありがとー!ほんと、Mariも行けたらよかったのに残念だったね。これからまたチャンスがありますように。日本語だけでもすばらしいのに、それをきちんと海外の人たちに紹介してくださっているのがすごいなーと。ほんとにね、近いうちと言わないまでも是非恒例にしていただきたいわ!
Commented by みかりん at 2010-10-31 00:34 x
ともちゃん久しぶり!
この会場ってうちのすぐ裏やんってビックリした笑。知らなかったよ~こんなイベントがあったなんて。。。
日本でも落語は聞いたことがないんだけど、説明も詳しくして下さったみたいだし、日本人で初めての人が聞いても分かりやすくて面白そうだよね。
しかもイタリア語でお話された部分もあったようで、すごいの一言です。しかも皆を退屈させずに話に引き込ませられるって、本当にプロだよね。
また次回このようなイベントがあったら是非知らせてネ♪
Commented by tomoky_ex at 2010-10-31 20:10
>みかりん
お久しぶりー!なになに、この会場の裏に住んでるってこと?知らなかったわー!イベントはあんまり宣伝しなかったみたい(したらしいんだけど、多く集まりすぎると困るからあまりしないようにしたらしい。笑)。
落語ねー、私日本にいた頃一時はまってね・・・(どんな若者だったの)いろんなところに聞きに行ったけどやっぱり「笑いに行く」っていうのがいい。今回は外国人向けだったからとってもシンプルで分かりやすかったし、もし来年もあったら是非♪ちなみに12月初めにお琴の演奏会があるけれど、興味があったらこちら→http://www.nipponica.it/index.php?id=1 で確認してみてね。
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by tomoky_ex | 2010-10-27 06:20 | カルチャー | Comments(12)